グアノの種類

グアノとはもともと海鳥の糞の堆積物をいいますが、コウモリの糞も見つかり、肥料として有効ということが分かりバットグアノとして区別されるようになりました。
バットグアノに対して、海鳥のグアノはマリングアノと呼ばれることもあります。

また、堆積されている地域、経過年月により、肥料成分の構成が違い、チッ素系とリン酸系に分類されます。

グアノの種類|有機肥料グアノ専門サイト

4つのグアノ

  1. チッ素質海鳥グアノ
  2. リン酸質海鳥グアノ
  3. チッ素質バットグアノ
  4. リン酸質バットグアノ
1.チッ素質海鳥グアノ
(成分例 N=14% P=12% K=3%)
本来の意味のグアノで、インカで使用されていたグアノもこれであり、ペルーが1840年ころから輸出して欧米でさかんに使用されていたグアノです。
雨のほとんど降らない乾燥地域の海鳥の群生する島々で採掘されて、窒素の溶脱もなく肥料成分が非常に高い。しかし、臭いがきつく成分も高すぎることもあり、現在では単体での使用は限られます。
2.リン酸質海鳥グアノ
(成分例 N=0% P=25% K=0%)
雨の多い熱帯地域で、海鳥の糞が珊瑚礁などの上に堆積したもので、雨により窒素成分は溶脱しリン酸成分だけが珊瑚の石灰分と結びつきリン酸石灰の型で残ったグアノで、年月も数千年たっています。
リン酸成分は水溶性ではないので速効性はないが、良質のものはく溶性(植物の根からでる根酸で溶ける)のリン酸がリン酸全量の50%以上と高く、長く効くために、元肥として使用すると花つきが良くなります。追肥にはむきません。
現在、日本で売られているグアノのほとんどがこのグアノです。
3.チッ素質バットグアノ
(成分例 N=6% P=3% K=1%)
コウモリの糞が洞窟の中で堆積したもので、数10年から数100年かけて、虫に食べられたり発酵したりを繰り返してできた、完熟堆肥のようなグアノです。
特に、昆虫しか食べないヒメコウモリのバットグアノは採掘量が少なくたいへん貴重なもので、肥料成分のバランスも良く、臭いも少なく、肥料あたりしないので、どんな植物にも使える、まさに有機肥料の王様です。ARK(エーアールケー)のバットグアノ プラチナNがこのグアノです。
4.リン酸質バットグアノ
(成分例 N=0% P=25% K=0%)
コウモリの糞が洞窟の中で堆積したのは③のチッ素質バットグアノと同じですが、長い年月(数千年)の間に窒素分は流失し、リン酸成分だけが洞窟内の石灰分と結びつき、リン酸石灰の型で残ったグアノです。
成分は②のリン酸質海鳥グアノとほとんど同じです。少量のフミン酸を含むものもありますが、その効果はあまり期待できず、②同様にく溶性リン酸が目的の元肥用肥料です。
現在日本でバットグアノとして売られているものは、ほとんどこれか、②のリン酸質海鳥グアノです。

コメントは受け付けていません。